2022年11月02日
Q:司法書士の先生に確認したいことがあります。坂出で亡くなった母の遺言書に、父のサインもありました。連名の遺言書は聞いたことがないのですが有効なのですか?(坂出)
母が先日、坂出の自宅で亡くなりました。父はだいぶ憔悴していましたが少しずつ元気を取り戻しています。相続人は父と長女の私と、坂出から出た弟の3人です。
遺された家族で休みの日に遺品整理を進めていますが、その中で遺言書を見つけました。遺言書の封筒には母の他に父のサインもあったので、そのことを父に聞いたところ、数年前に遺言書を一緒に作成したとのことでした。母方の代々受け継いできた不動産の分割方法や、父の財産について相談しながら作成したようです。
父も母も夫婦だから当然と思ってのことだったようですが、このような遺言書は遺言書としての効力があるのかお聞きしたいです。(坂出)
A:2人以上のサインがされた遺言書は、たとえ夫婦や婚姻関係の仲であっても無効となります。
坂出のお母様の遺言書は、民法上「共同遺言の禁止」に該当するため無効となります。これは、二人以上の人が一つの遺言書を作成したり、本人以外の誰かと連名でサインをすることはできないという意味です。そのため、今回のお母様の遺言書は、本人以外のサインもあるとのことですので無効となってしまいます。
遺言書は、基本的に遺言者の思いを自由に反映させて作成するものとされるため、連名のサインがあるということは、遺言書の内容変更や取消したい場合に連名した相手からの同意を得なければならず、本人の自由な決断ができません。また、遺言者が複数人の場合、誰かの先導で作成されたということもあり得るため、遺言者の思いが自由に反映されていないと判断されてしまいます。
遺言書は、遺言者の伝え残したい最後の意思表明です。たとえ夫婦や家族であっても干渉や制約を感じるようでは本来の遺言とはいえません。
このように、法律の定める形式とは異なる遺言書は原則として無効となります。
今回のお母様の遺言書は自筆証書遺言といい、ご自分で作成・保管できるため簡単で費用もかからない遺言書ですが、自筆証書遺言は法的に有効となる形式で作成されていなければ無効となり、遺言者の意向がのこらなくなってしまいます。
この先、ご相談者様や大切なご家族が遺言書の作成をされる場合には、遺言書・相続手続きに精通した専門家へ一度ご相談されることをおすすめします。
高松相続遺言相談室は、相続手続きの専門家として、坂出エリアの皆様をはじめ、坂出周辺の皆様から多くのご相談、ご依頼をいただいております。
高松相続遺言相談室では、ご依頼いただいた皆様の相続手続きについて、坂出の地域事情に詳しい司法書士が親身になってサポートさせていただきます。まずは高松相続遺言相談室の初回無料相談をご利用のうえ、お気軽にご相談ください。高松相続遺言相談室のスタッフ一同、坂出の皆様、ならびに坂出で相続手続きができる事務所をお探しの皆様からのご連絡を心よりお待ち申し上げます。
2022年10月04日
Q:相続が開始したのですが、自分自身ですべての手続きを行うことは可能でしょうか。司法書士の先生に相談してもよいですか(さぬき)
さぬきに住んでいた祖母の相続についての相談です。
はじめまして。私は東京在住の40代女性です。さぬきに住む祖母が亡くなり、祖母の兄弟から相続手続きを進めてほしいと連絡がきました。その人によると祖母の相続人となるのは私と妹だけのようです。
祖母のひとり娘であった私たちの母は5年前に亡くなっており、祖母の配偶者である祖父もすでに他界しています。さぬきに住む年の離れた祖母の兄弟が、なにかと祖母の面倒をみてくれていました。
祖母名義の自宅等が老朽化しているのでトラブルが生じる前に手続きを進めてほしいとのことですが、なにぶん私も妹も遠方に住んでいて、仕事や家庭もあり時間がとれません。
手続きを専門家に任せてはどうだろうと妹に提案したものの、「お金をかけたくないし、自分自身で行うべきでは」と一蹴されてしまいました。現実的に行うのが難しく、先延ばしするのは嫌なので専門家に依頼したいのですが、どのように妹と話をすべきでしょうか(さぬき)
A:相続手続きはご自身行うことも可能ですが、時間がとれない、遠方に住んでいるなどの理由がある方は専門家に依頼した方がスムーズです。
妹様がおっしゃるとおり、ご自身で相続手続きを行うことはもちろん可能です。時間や知識があれば、順番にこなしていくこともできるでしょう。
しかし、日常が忙しくて金融機関や法務局に出向くことができない、そもそも手続き先が遠方にあり、そこまで向かうのにお金もかかるという方は専門家に依頼した方が得策です。もちろん郵送での対応も行ってくれるかと思いますが、書類等に不備があった場合には何度も往復しなければならず、忙しい日常のなかで対応するのは負担も大きいでしょう。
例えば相続手続きにおいて必須書類である「戸籍謄本」は、亡くなられた方の出生から死亡まで連なる一式および相続人の現在の戸籍を用意します。これは相続人を確定するために必要です。一か所の役所ですべてがそろうことはまれであるため、取り寄せた戸籍謄本から順番にさかのぼり、結果的に複数の役所に請求することになります。
今回のご相談者様の場合には、お母様の出生から死亡までの戸籍も用意しなければならず、戸籍の通数が多くなることが予想されます。戸籍を集めるだけでも2カ月程度の時間は要するうえ、並行して財産内容も確認しなければなりません。
妹様は時間をかけて行えばよいとお考えかもしれませんが、2024年には相続登記の義務化が施行される予定です。ご親族様のお気持ちも考えると、手続きの先延ばしはお勧めできません。
再度妹様と本当にご自身たちで行うことができるのかを話してみてください。安心して相続手続きを進めたいのであれば、専門家に依頼するメリットは大きいかと思われます。
高松相続遺言相談室ではさぬきにお住まいの方やさぬきに相続財産がある方を中心に、遺産相続のお困りごとについてご相談をお受けいたします。さぬきの皆様が気軽にご相談いただけるよう、初回無料相談を行っておりますので、ぜひお問い合わせください。
2022年09月01日
直筆の遺言書は、親族であれば開封しても良いものでしょうか(高松)
こんにちは。私は高松で生まれ育ち、現在も高松在住の者です。私の両親も同じく高松で生まれ育ちました。母は10年前に亡くなり、先日父が90歳の誕生日を迎えて間もなく高松市内の病院で亡くなりました。
父は長らく高松市内の自宅で一人暮らしをしていたのですが、遺品を整理したところ父の書斎の引き出しから父の自筆の遺言書らしきものを見つけました。私は2人兄弟で、関東に住んでいる兄がおり、法定相続人は私と兄のみになるかと思います。遺言書を開封する場合には私が兄に同意をとれば、開封してしまっても大丈夫なものでしょうか?(高松)
A:法定相続人であったとしても、勝手に自筆の遺言書を開封することはできません。検認を行うため、家庭裁判所へ行きましょう。
お父様が自筆でご用意されていた遺言書は自筆証書遺言と呼ばれます。
民法では、勝手に遺言書を開封してしまった場合には、5万円以下の過料に処すると定められています。ですので、ご相談者様のように自筆証書遺言を見つけた時には、遺言書の検認を家庭裁判所で行いましょう。検認をすると、家庭裁判所でその遺言書の形状や訂正等、検認日での内容を明確にします。そうして遺言書の存在と内容を相続人が確認することで、偽造防止にもつなげることが可能です。
相続において遺言書が存在する場合には、遺言書に記載された内容が基本的に優先されます。お父様が用意されていた自筆証書遺言は自由に開封することは出来ませんので、先述しました通り家庭裁判所にて検認の手続きを行ってください。
※ただし、2020年7月より自筆証書遺言書の保管を法務局で行う事が可能となり、法務局で保管していた自筆遺言証書に関しては家庭裁判所での検認手続きは不要。
※また、検認の手続きには家庭裁判所に提出する戸籍等を集める必要があります。
家庭裁判所にて検認を終えた後は、検認済証明書がついた遺言書を基本に相続手続きを進めてください。
検認手続きは申立人以外の相続人が揃わなくても行われます。しかし、検認を行わないと、遺言書に従って不動産の名義変更、各種手続き等を行うことは基本的にできません。
また、遺言書の内容によっては、特定の相続人が遺留分を侵害されてしまう可能性もあるでしょう。そうした場合には、その相続人は遺留分については取り戻すことも可能です。
高松相続遺言相談室では高松の皆様のご要望等を詳しくお伺いするために、初回無料相談を設けております。高松の皆様にとって最善となる家族信託についてご提案やアドバイスをさせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
高松の皆様からのお問い合わせを司法書士ならびにスタッフ一同、心よりお待ちしております。
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