2020年12月09日
Q:実の母が認知症を患ってしまった場合、相続手続きはどのように進めれば良いのでしょうか。専門家である司法書士さんにお伺いしたいです。(高松)
先日、高松の実家に暮らす父が亡くなり、相続財産の調査をしていました。そんな折、財産として高松に所持している自宅マンションと預貯金が900万円程あることが判明しました。相続人に当たるのは父の配偶者である母と私と兄の3人です。兄とは相続の相談も済ませ、相続手続きを進めていこうというところなのですが、母は3年ほど前から認知症を患っており、どのようにしてよいのかわかりません。重度の認知症であるため、署名や押印をすることが難しく、相続手続きが進まず困っています。このような場合、どのような手順で相続手続きを進めれば良いのでしょうか。知識の豊富な司法書士さんに是非ともお伺いしたいです。(高松)
A:相続手続きを進めるにあたって、家庭裁判所から成年後見人を選任してもらうことが可能です。
今回のご相談者様のような場合には、成年後見制度を利用する方法があります。世の中には、意思能力が不十分であるのをいいことに売買契約をさせるような悪徳業者が存在します。このような「成人」で「判断能力が不十分な人(認知症、知的障害、精神障害を患っている方など)」を保護するための制度として生まれたのが成年後見制度です。
認知症等によって判断能力が欠くのが通常の状態であるとみなされると、遺産分割をはじめとする法律行為はできません。しかし、その様な法律行為は成年後見人という法的に正式な代理人を定めて、その成年後見人に代理してもらうことで成立させることが可能となります。家庭裁判所が民法で定められた一定の者の申立てを受け、成年後見人としてふさわしい人物を選任します。
- 家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
- 破産者
- 本人に対して訴訟をした又はしている人、その配偶者、その直系血族
- 行方の知れない者
上記の者は成年後見人にはなれません。
成年後見人には親族が選任されるケースが多くありますが、中には第三者である司法書士などが専門職後見人として選任されるケースも存在します。親族ではない専門職後見人が選任された場合、基本的には報酬を支払う必要があります。また、成年後見人を付けたからといって、成年被後見人の財産についてはあくまでも本人の利益を損なうことがないように管理する必要がありますので、自由な遺産分割をすることは出来ません。そのうえ、一度成年後見人が選任されると、遺産分割協議後も成年後見制度の利用が継続し、容易に後見人を変更することは不可能となります。ですので、今回の場合だけでなく、その後のお母様の生活にとっても必要かどうかを見定めて成年後見制度を活用することをお勧めいたします。
高松相続遺言相談室では、今回のご相談者様のような、認知症や障がいなどによって意思判断能力の乏しい方が相続人に含まれる場合の相続手続きについてなど数多くのご相談を頂いております。高松在住で相続についてのお困り事で悩んでいらっしゃいましたら、どのような些細な事でも構いません。初回のご相談は無料でお話しをお伺いさせて頂いておりますのでぜひ一度お気軽にお立寄り下さい。ご相談者様のご事情をふまえ、専門家が親身なアドバイスとサポートを提供いたします。
2020年11月12日
Q:司法書士の先生にご相談です。父の遺産を相続し、あとになって借金があることが分かったのですが、今からでも相続放棄は可能ですか。(丸亀)
丸亀市に住む父が1か月前に亡くなりました。母はすでに亡くなっており、私は兄弟姉妹もいないので相続人に該当するのは私だけです。父は丸亀の自宅で一人暮らしをしていました。父の死後、私はその家を売り、売却金を受け取りました。しかしその後、父にかなり大きな借金があることが判明し、相続人の私が父の借金を返済しなければならないと言われました。確認してみるとその借金はすぐに返済できるような額ではなかったので、相続放棄をしたいです。今からでもできるものなのでしょうか。(丸亀)
A: 相続放棄の可能な期間は原則3か月以内ですが、単純承認をすると相続放棄はできないとされています。
ご相談いただきまして誠にありがとうございます。丸亀市の相続のお悩みは高松相続遺言相談室におまかせください。
この場合ですが、ご相談者様は「単純承認」をしたとみなされてしまう可能性があります。単純承認とは、「借金のようなマイナスの財産を含め、相続財産のすべてを受け継ぐ相続をします」と認めることです。遺産相続をした後、相続人が相続財産の全部または一部を処分すると、単純承認をしたということになります。また、相続人が何もしなかったとしても、期間の経過により単純承認は成立します。相続の開始があったことを知ったそのときから3か月以内に「限定承認」または「相続放棄」をしなかった場合、単純承認したと判断されてしまうのです。そして、それ以降は限定承認や相続放棄ができなくなってしまいます。
なお、相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内であっても、単純承認にあたる事由があれば相続放棄することはできなくなってしまいますので、慎重に判断する必要があります。
今回のケースのように、被相続人が実は相続人の知らないところで借金を抱えていたという事例は少なくありません。ご自身が相続人となった場合は、一度専門家に相談して遺産の全てをきちんと確認してから、相続放棄をするかどうかお決めになることをおすすめいたします。高松相続遺言相談室ではプロが無料で皆様のご相談を承っております。遺言書の作成をはじめ、不動産登記、相続対策についても手厚くサポートさせていただきます。丸亀周辺にお住まいで、相続や遺言のお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
2020年08月08日
Q:司法書士の先生に相続で必要な戸籍に関してお伺いしたいです。(坂出)
先月、坂出に住んでいた母が亡くなりました。父もすでに亡くなっており、相続人は私と弟の2人になるかと思います。相続手続きを弟と共に進めているのですが、手続きに必要な戸籍が分かりません。先日も坂出にある銀行へ事前に準備をしておいた母の戸籍などを提出したのですが、不備があり受け取ってもらえませんでした。相続手続きが滞ってしまい、困っています。どのような戸籍が必要になるのか教えていただきたいです。なお、母の出身地は北海道になります。(坂出)
A:お母様の出生から死亡までの戸籍が、相続手続きにおいて必要になります。
まず相続手続きにおいて必要な戸籍について確認していきましょう。
1つ目は、「被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本」です。この被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍で、子どもが何人いるのか、お母様が亡くなった時点で配偶者はいるかいないか、いつ亡くなったのかを確認することができます。万が一、お母様に養子などがいた場合はご相談者様と弟様以外にも相続が発生します。
2つ目は、「相続人全員の現在の戸籍謄本」です。ご相談者様の場合は、弟様の分とあわせて提出が必要になります。
次に戸籍収集の仕方についてご説明いたします。戸籍を取るには、役所へ請求をする必要があります。基本的には出生~死亡までに、亡くなった方の最後の本籍地を管轄する役所へ戸籍を請求すれば良いのですが、出身地が最後の本籍地とは異なる場合は出身地を管轄する役所へ請求や取り寄せをしなければなりません。また、多くの方はご結婚や転居等で転籍をしています。そのため、一つの役所ですべての戸籍が揃うことは滅多にありません。
ご相談者様の場合、お母様が北海道出身とのことですので、直接役所へ行くことが難しいかと思います。そのような場合は、郵送でも取り寄せることができますので、役所のホームページなどで確認をしましょう。
戸籍謄本を揃えるには、時間も手間もかかってきます。特にお仕事をされている方などは難しいかもしれません。なかなか手続きが思うように進まないといったお悩みがある方は、専門家に依頼することをおすすめいたします。
高松相続遺言相談室では、坂出にお住まいの皆様の相続のサポートをしております。相続手続きを手伝ってほしい、財産調査をしたいなどお困りの事がございましたら、まずは初回無料相談までお問い合わせください。円満に相続手続きが完了するよう親身に対応いたしますので、坂出在住で相続についてご不安な点やお悩み事がある方はぜひ一度お気軽にご相談ください。