認知症の方の遺産分割

故人さまがお亡くなりになって、いざ相続開始という段階に至って、共同相続人の中に認知症を患っている方がいらっしゃる場合はどのように遺産分割をすればよいのでしょうか。

前提として、相続人のうち認知症の方がいるからといって、その方を無視して遺産分割協議をすることは認められていません。遺産分割協議は、共同相続人全員で行う必要があるからです。仮に、認知症の方を除いて遺産分割協議を行い、遺産分割を行った場合、その遺産分割は無効となってしまいます。

 

「意思能力」の有無がメルクマール

そもそも認知症と一言であらわしても、その精神状態には様々なレベルがあります。
そして、法律的には「意思能力」(自分の行為の性質や結果を判断できる能力)の有無が手続を分けるメルクマールになります。

  • 認知症の方に意思能力がある場合
    認知症であったとしても、意思能力がある場合はみずから遺産分割協議に参加することができます。ただし、場合によっては法定後見制度を利用するなどして、認知症の方の利益を害さないよう配慮するよう心掛けることが大切です。
  • 認知症の方に意思能力がない場合
    意思能力のない認知症の方のために法定後見を開始し、法定後見人が認知症の方に代わって遺産分割協議を行います。

 

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